多血症の処置、瀉血について
瀉血(しゃけつ)とは多血症の治療において(特に絶対的多血症)
最も一般的な初期の治療です。
目的は赤血球容積つまり、
循環する赤血球細胞の総数を減らすことが
瀉血の目的で、特に初期でヘマトクリットが
高いときには、早めに行われます。
赤血球容積が40%〜45%、血漿が60%が正常な値です。
ヘマトクリットとは、血液中の赤血球の割合で、
血漿と相関関係にあります。
循環中の正常な赤血球量は、女性で約1800cc、
男性で約2200ccといわれています。
瀉血一回で、約400〜450ccの血液が抜かれると、
赤血球はその約60%、300ccが抜かれる計算になります。
赤血球は一日に約17ccしかできないので、
普通は、瀉血によって失われた血液がもとに戻るには
約1ヶ月かかります。個人差はありますが…
瀉血によって、血漿の変化が血液容量が
急激に減少することにより、
身体は循環中の液体の量を増やせという
シグナルを受け取ります。
具体的にはのどが渇くなどという症状が出ることがあります。
瀉血をすると、血漿の量が増えてヘマトクリットが落ちるので、
赤血球は結果的に薄められることになります。
ヘマトクリットを減らす利点は、血液が正常な濃さになることです。
瀉血開始直後の時期に起きる疲労、頭痛などの症状は、
血液容量の急激な変化によるものです。
瀉血直前と瀉血後2日間は水分補給をしっかりする必要があります。
また、その時期は激しい運動をしてはいけません。
献血のあと運動を控える様に言われるのと同様です。
瀉血は赤血球体積を迅速に減らすために使われ、
その後、薬剤が治療計画に加えられます。
最初は瀉血を行い、更に骨髄抑制治療と
併用されることが多いようです。
骨髄抑制剤は非常に活動的な赤血球増多症、
白血球増多症、骨髄様化生をコントロールしてくれます。