多血症について
多血症とは字の通り血が多くなる症状をいいますが、特に赤血球の数が増加することを
そう呼ぶため赤血球増加症とも呼ばれています。
健康な成人の場合
RBC(赤血球数) 標準値 男性425〜570万/μL、女性375〜500万/μL
ヘモグロビン量 標準値 男性13.3〜17.4g/dL 女性11.2〜14.9g/dL
ヘマトクリット値 標準値 男性39.0〜50.4% 女性34.0〜44.0%
上記のような数値が正常な範囲です。
ちなみに
ヘマトクリット値とは、
一定の血液量に対する赤血球の割合(容積)を
パーセントで表した値です。
そして、
赤血球が600万個を超える状態(ヘモグロビン18g/dL以上、ヘマトクリット54%以上も同様)
を多血症といいます
赤血球が増加する原因として
赤血球の数は変わらないが下痢などで水分を急激に失い
相対的に増えてしまう相対性多血症と
何らかの原因により赤血球数が実際に増えているものを
絶対性多血症と呼んでいます。
相対性多血症は基本的に水分を補給すれば
治ります。
絶対性多血症の場合は通常、
赤血球の数値を正常に戻すために、
瀉血(しゃけつ)という治療を行ないます。
瀉血とは、血液を抜いて赤血球濃度を薄めるもので、
粘度が高まらないようにします。
絶対性多血症でも特に原因不明のものを
真性多血症と呼んでいますが、
その真性多血症の場合は白血球、血小板も増加するので、造血
抑制剤を使用し、腫瘍に対する治療を行います。
赤血球が増加すると
血液がドロドロになって血行が悪くなり、
頭痛・めまいなどの非特異的な
中枢神経症状がでることがあります。
血の巡りが悪くなるため
高血圧などの症状も出現することがあります。
血の巡りが悪くなるということは
脳梗塞、心筋梗塞などの
原因にもなります。
多血症とは
決して軽視できない症状です。